
📘 タロットの歴史(全5回)
この連載では、タロットカードがどのように生まれ、どのように“今の姿”へ形づくられてきたのかを、静かなペースでたどります。
文化や思想の流れとともに、タロットの背景をやさしく解説しています。
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タロットは、ただの占い道具ではなく、
長い時をかけて育まれてきた“文化”ともいえます。
──今回から全5回にわたって、“タロットの歴史”をたどっていきましょう。
それぞれの時代に、タロットがどのように形を変え、どんな意味を担ってきたのかを見ていきます。

…ところで、タロットっていつからあるの?

タロットの起源にはいくつもの説があり、
今なお完全には解き明かされていないんです。

そもそもタロットカードがいつ、どこで生まれたのか──
それにはいくつかの興味深い説があるんだよ!
現在のように“占いの道具”として広まる前、
タロットは“貴族たちの遊び”として使われていたことが分かっています。
けれど、そのルーツをたどると、今もなお多くの謎が残されているのです。

今回は、そんな“タロットカードの起源”について、
代表的な説を紹介しながら歴史をたどっていきましょう!

この記事では、以下のことがわかります!
- “タロットカードの起源”にまつわる有名な誤解とは?
- 実際にタロットが登場したのはどの時代・地域か
- エジプト神話や古代神秘との関係は本当にあるのか?
タロットの始まりはイタリアから


有力な説によると、
タロットカードの起源は14〜15世紀のイタリアとされています。
現存する最古のタロットカードは、
15世紀のイタリア北部で作られた『ヴィスコンティ・スフォルツァ版』。
これは、ミラノ公爵ヴィスコンティ家のために特注で作られた、
豪華な手描きのカードセットでした。
貴族の“タロッキ”ゲーム
当時のタロットカードは『タロッキ(Tarocchi)』と呼ばれ、
今のように占いで使われるものではなく、貴族が遊ぶカードゲームとして使われていました。

このゲームは、現代でいう“トリックテイキングゲーム”に似たもので、
強いカードを出し合って勝ち負けを決める、
いわばトランプの大富豪のような遊びに使われていたんだよ!

えぇ〜っ!?最初はゲームだったんだぁ!
なんだか想像できないよぉ。

その後、タロッキはヨーロッパ各地に広まり、
特にフランスでは『タロ(Tarot)』という名前で知られるようになります。
古代エジプトから来た?神秘の起源説


タロットの起源には、もっと神秘的な説も存在します。
なかでも有名なのが、“タロット=古代エジプト起源説”。
この説を広めたのは、
18世紀フランスの神秘家アントワーヌ・クール・ド・ジェブランです。
彼は「タロットは古代エジプトの神官たちが使っていた秘儀の書であり、
そこにはエジプト文明の叡智が込められている」と主張しました。

彼は、「タロットは古代エジプトの知恵を象徴的に伝える図像体系である」と考えたけど、実際のところ、古代エジプトにタロットカードが存在していたという証拠は見つかっていないんだよ!

ジェブランの説は、後のオカルト的なタロット解釈に大きな影響を与えましたが、歴史的な裏付けはないんです。
カバラと出会い、“占い”のタロットへ


19世紀に入ると、タロットはユダヤ教の中で受け継がれてきた思想
“カバラ(Kabbalah)”と結びつけられるようになりました。

そもそもカバラって何?

カバラは、ヘブライ語で「受け取る」「伝承する」という意味があるんだよ!
カバラとは、
ユダヤ教の伝統の中で生まれた
“宇宙の仕組みや人間の意識の構造を深く理解しようとする知恵” です。

カバラは、宇宙や人間の意識の構造を象徴的に探究する思想体系です。
その中心にある“セフィロトの樹”は、やがてタロットの構造とも結びついていきました。

あっ!そういえば、大アルカナの“女教皇”は、
ユダヤ教の聖典『トーラー(モーセ五書)』を手に持っているよね!
セフィロトの樹と大アルカナの対応
カバラでは、
宇宙の構造を表す“セフィロトの樹(生命の樹)”という概念があります。
フランスの神秘主義者エリファス・レヴィは、
「タロットの大アルカナ22枚は、生命の樹における22の経路と対応している」
と考えました。


“セフィロトの樹”は、
“10個のセフィラ(※)”とそれをつなぐ“22のパス(経路)”で構成されていて、
この22のパスが、タロットの大アルカナ22枚に対応している――、
と考えたんだね!
※ “10個のセフィラ”とは、「セフィロトの樹(生命の樹(Tree of Life))」という図に配置された10個の球体のことで、宇宙や人間を成り立たせる原理とされています。セフィラの複数形が“セフィロト”です。

さらに、ヘブライ語のアルファベットも22文字あり、
それぞれが大アルカナ1枚ずつに対応するとされているんです。
四大元素とスートの象徴

それから、タロットの4つのシンボルであるスート(ワンド、カップ、ソード、ペンタクル)は、
“火・水・風・地”の四大元素に対応し、
より神秘的な象徴として扱われるようになったんだよ!
こうしてタロットは、単なる遊び道具から、
“人間の心や宇宙の構造を象徴的に描いた『物語の書』”のような存在へと進化していったのです。

わぁ〜!タロットって、すごく深いストーリーがあるんだね!
だから不思議と惹かれちゃうのかも… (^^)
まとめ:タロットの進化は“人類の想像力”の物語

もともとはシンプルな“ゲーム用カード”だったタロット。
それが時代とともに、人々の想像力や神秘主義が加わり、
今のような“占いの道具”へと進化していきました。
- 有力な説 → 15世紀のイタリアで貴族のカードゲームとして誕生
- 神秘的な説 → 古代エジプト起源説(ただし証拠なし)
- オカルト的な発展 → 19世紀以降、カバラや神秘主義と結びついた

時代とともに人々がタロットに込めた“意味”が、
単なるカードを“宇宙の鏡”へと変えていったともいえるね。

タロットって占いだけじゃなくて、
人類の歴史や想像力がぎゅっと詰まった宝箱みたいだね!
なんだかますますカードを手に取ってみたくなったよ!
タロットの歴史をたどると、そこには人間の“遊び心”と“想像力”、
そして“意味を見出そうとする知性”が息づいています。
一枚のカードに込められた象徴は、
時代ごとに新しい解釈を生みながら、人類の文化とともに進化してきました。
これからの章では、カード1枚1枚の中に息づく物語を少しずつ紐解いていきましょう。

タロットの歴史をたどると、カードの世界がぐっと深く見えてきますね。
次回は、『大アルカナと小アルカナの起源』を見ていきましょう♪
※ このシリーズの全体像は、
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